賢い顧客になっているか?

約2年ぶりに書き始めたブログ、書き始めてすぐに年の瀬を迎えました。

普通であれば年始にあげた目標の振り返りなどやるのでしょうが、そこはあえてやらずにいつものスタンスで書いていこうと思います。

物を買う行為は私たちが日常的におこなっている行為です。今回はこの「買う」ことに関して書いてみます。

先日、ある友人と会う機会があり、色々と話をする中で、生命保険の話になりました。私とその友人を担当してくれている営業さんは元々同じ人でした。私の方は今も最初から変わらない営業さんに担当頂いていますが、友人の方はすでに営業が3人も変わったとのことでした。

こういう書き方はよくないかもしれませんが、私は「あー、カモにされたな」と思いました。

日常よく買うものであれば、その商品の詳しい知識などはあまり気にはならないものですが、保険や投資になると、買う側にも相応の知識が求められます。と同時に、知識のない書い手は売り手から狙われ、結果よくわからない物を買わされてしまうのです。

最近では食材のような日常的に買うものでもトレーサビリティが求められたり、消費者が知識をつけやすい環境になってきています。その分情報量は増えますが、この情報の海をうまく泳いで、賢く商品を選び、自分の満足のいく人生行路を切り開いていく時代になったと言えるでしょう。

だから、「買う」側の場合にも売る側と同じかそれ以上の知識が必要になってくるのです。
膨大な情報の海を泳ぎきるだけの技術と知識、そして人生設計という海図を描けているか、今一度見直す年末年始であっても良いのではないでしょうか。

【書評】申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。 カレン・フェラン 神崎 朗子

大和書房 2014-03-26
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これでも国家資格の経営コンサルタントの端くれですので、読んでみました。

たくさんの事例が書いてありますが、ポイントをざっくり私の言葉で解釈すると以下のような感じでしょうか。

●経営学で常識とされている様々な理論は現場の人がどう感じるかまで落とし込まないと無用の長物となる(本書では、経営理論は大概嘘であると書いてある)。
●コンサルティングにおいて重要なのは方法論やツールではなく、対話である。
●クライアント企業は経営をコンサルタントに任せず自分たちで頭をひねって考えるべきだ

コンサルティングと実業の双方を経験した身からすると、耳が痛くあるいは「その通り!」と思う内容が満載です。

経営コンサルタントの方々には是非とも読んでいただきたい一冊です。

このドラマがすごい〜DARK SUITS〜

あまり巷での話題には登っていませんが、今クールNHKでやっていたこのドラマにドハマりしました。

日本の高度成長を支えてきた製造業。その中でも現在窮地に陥っている電機業界にスポットをあて、総合電機の再生策に奔走する若手社員にスポットをあててドラマが展開されます。
この手のドラマだと、NHKではハゲタカ、民放では半沢直樹が有名ですね。双方とも企業再生を題材にしていますが、主に金融的手法が中心でした。

DARK SUITSは、製造業、特に電機が構造的に抱える問題に鋭く切り込み、ものづくりだけではなく技術ライセンスによる再生を目指す方向を模索する、というテーマで描かれています。
2012年が題材なので、今から2年ほど前の経営環境を反映しており、経営戦略的には現在は少し違う趣があるのかもしれませんが、日本の製造業が生き残りをかける一つの方向性を示した作品です。

製造業の経営のみならず、取締役会やファンド、加えてメディアも巻き込んだ人間ドラマもあらゆる伏線が張ってあり大変魅力的なものに仕上がっています。

NHKオンデマンドで見見れますので、このお休み中、必見ですよ。

http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2014059275SA000/

勝ち続けるための変化

walkman.jpg

とある書籍の輪読を部門内人材育成の一環で行っていて、いろいろとよい気づきが得られたので備忘のために書いておきます。

SONYのウォークマンといえば、一昔前に一世を風靡した製品であることは言うまでもありません。

書籍の中では、ウォークマンがMP3プレーヤー、そしてiPodに負けていくさま、そしてiPodが市場を席巻していくさまを周囲のプレーヤーとの関係を示しながらフレームワーク化して説明していました。

それはそれで大変わかりやすいものですが、私は

「なぜSONYのウォークマンが30年近くも王者たり得たか」

について着目しました(おそらくほかの書籍にはたくさんネタは上がっているのでしょうが)。

10名弱で議論したところ、おおむね以下のような結論に達しました。
(Webの情報を収集しつつ議論した内容です)

①音楽を持ち歩くという新しいライフスタイルを提案した
②音楽を持ち歩く概念に対して競合他社は最初疑心暗鬼であり、対応が遅れた
③SONYは強みである電子部品の小型化技術を活用し、カセットプレーヤーの小型化と省力化を実現した
④電子部品の小型化に遅れていた他社は、類似品を開発するのに時間がかかった
⑤他社が類似品を出す前にSONYは大々的なプロモーションを打ち、「ウォークマン」の名をヘッドホンステレオの代名詞にしてしまった(この間、わずか1年未満)。
当然、商標権も取得し名前を他社に利用できないようにした。
⑥他社が類似品を発売するころにはSONYはシェアの大半を占めており、また続けて温室へのこだわりなど、他社がまねできない繊細な領域まで継続的なイノベーション開発を進めた。

カセットテープはどこにでもある商品。このどこでもある商品を活用してライフスタイルまで変革したことに、SONYウォークマンのケースの肝があると思います。

その他、カセットテープ時代以降についても以下のような議論が出ました。
①市場を席巻したSONYは、音質の向上を目指してCDを開発。続けてMDも開発。
②多メディアでの高音質の音楽の利用シーンをすべて席巻しようとした。

で、デジタル化でMP3が出てきたあたりから陰りが出始めるのですが、、、、ここからあとはもう有名な話なので割愛します。

今日議論した内容は、経営理論でいうと
・イノベーションのジレンマ(他社が参入に躊躇した)
・先行者優位と参入障壁の構築
・破壊的イノベーション(音楽を持ち歩くライフスタイルの確立)
・継続的イノベーション(カセットテープからCD,MDへの変遷)
・新規市場の創造(移動中の音楽視聴市場の創造)
・プロダクトアウト型市場創造
などが当てはまるかと思います。

仕事柄マーケティングをやっているので、プロダクトアウトではなくマーケットインこそ正しいと信じている自分ですが、このケースはプロダクトアウト型のイノベーションから新規市場を創造した大変学びの多いケースだと思います。

【書評】伝え方が9割

超久々(どころではない・・・1年半ぶりに更新)

所属している中小企業診断士の研究会で、「考える力・書く力」のほかに、「伝える力」も鍛えたほうがよいよね、という話題が出たので、思い出したようにざっと読んでみました。

その中でもとても覚えやすくかつ一番重要だと思ったポイント。

◆「ノー」となるはずだったお願いを「イエス」に変える3つのステップ

(1)自分の頭の中をそのまま言葉にしない
(2)相手の頭の中を想像する
(3)相手のメリットと一致するお願いをする

この3つです。

一つ目は、脊髄反射的に言いたいことを言わずに一度飲み込んで考える、ということ。二つ目は、その次に、自分がお願いをする相手が「どういわれたらうれしいか」「どういわれたら納得するか」を考える、ということ。そして三つ目は、相手が「メリットである」と感じる内容と同じお願いをするということです。

たとえば、デートに誘いたい女性がいたとして、「来週土曜日にデートしない?」というのではNG。ステップの1つ目から躓いています。まず自分のいいたいことは端においておいて、相手の女性がどういわれたらうれしいかを想像します。休日にスィーツを食べに行くのが趣味である、ということがわかれば、「僕、スィーツ食べるのが好きでさ。行きたい店があるんだよね、今度一緒に行ってみない?」という感じで誘う、といった感じ。

これであれば「デートしたい」という意図は隠れ、相手にとってうれしい「スィーツの食べ歩き」がメインであることが強調されます。

この内容、実はロジカルシンキングなんですよね。コンサルタント風に行ってしまうと、相手の立場に立ったイシューを設定する、という感じでしょうか。

このほかにもたくさんテクニックが載っていますが、この3つのステップがシンプルだけど難しいため、とても重要だと思います。さらっと読めますが、身に着けるのはなかなか・・・。

若い人から管理職層まで、必読の書だと思います。

伝え方が9割
伝え方が9割 佐々木 圭一

ダイヤモンド社 2013-02-28
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