カテゴリー別アーカイブ: 経営

機能よりデザインより『ストーリー』

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HBR4月号の『「デザイン思考」を超えるデザイン思考』がとても興味深い。

本論もさることながら、コラムとして書かれている「ストーリー価値をいかに提供できるか」は、今までの価値基準のままビジネスを進めても顧客は納得してくれないという警鐘を鳴らしてくれています。

曰く、技術やデザインでは模倣困難性を持ちづらく、そこにストーリーが合わさらないと顧客は振り向いてくれないとのことです。

ではストーリーとは何でしょう?

私が思うに、顧客に提供されるそれこそ「論理」であろうと思うわけです。例えば、起承転結も論理のつながりですし、プレゼンでよく用いられるPREP法だって論理のつながりなわけです。

機能、デザイン、そして論理明快なストーリー。これこそが今の時代顧客に必要とされる価値なのでしょう。

一橋大学大学院の楠木健先生の著書「ストーリーとしての競争戦略」の大ヒットも、それを裏付けているのかもしれませんね。

【書評】ブラックスワンの経営学

ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ
ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ 井上達彦

日経BP社 2014-07-19
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前職NECにいた際に研修でお世話になった、早稲田商学部の井上龍彦先生の著書です。
様々な企業の事例を研究する際のお作法、「ありえないもの=ブラック・スワン」の見つけ方とそれに遭遇した時の分析方法が丁寧に書いてあります。
概要としては以下の様な感じ(目次とは無関係です)
・仮説を明確にして事象を観察し、反復実験を行って情報を収集するべし
・分析を行う際はインタビューなど現場での情報収集を大切にして解釈を行うべし
・仮説は、それが外れた時に次に有意義な探索と考察ができるものが望ましい
・仮説の精度を高めるためには必要条件と十分条件の往復が必要
・事例研究では、統計的な外れ値を捨てずにブラック・スワンとして注目する
これから私が得られた示唆としては、以下の様なものです。
仕事や診断士活動の中で触れる様々な事例について以下を問う。
・その出来事の何に驚きを覚えたのか
・なぜ驚きを覚えたのか
・通常(自分が通常と思い込んでいるもの)とは何がどう違っているのか
・通常と違っていることにより何が引き起こされるのか
・その特別さはなぜ実現したのか
・その特別さは、自分の業界、組織運営、仕事にとってどのような意味を持つのか
この問いによって、事例を深く読み、抽象化して新しい洞察を得ることが出来る。
新しい洞察を得るためには、「仮説」「基準」「外れ値」にこだわり、それらの発生した背景に目を向ける事が大事なんですね。
そのために必要な思考法は、やはりクリティカル・シンキングでしょうね。

賢い顧客になっているか?

約2年ぶりに書き始めたブログ、書き始めてすぐに年の瀬を迎えました。

普通であれば年始にあげた目標の振り返りなどやるのでしょうが、そこはあえてやらずにいつものスタンスで書いていこうと思います。

物を買う行為は私たちが日常的におこなっている行為です。今回はこの「買う」ことに関して書いてみます。

先日、ある友人と会う機会があり、色々と話をする中で、生命保険の話になりました。私とその友人を担当してくれている営業さんは元々同じ人でした。私の方は今も最初から変わらない営業さんに担当頂いていますが、友人の方はすでに営業が3人も変わったとのことでした。

こういう書き方はよくないかもしれませんが、私は「あー、カモにされたな」と思いました。

日常よく買うものであれば、その商品の詳しい知識などはあまり気にはならないものですが、保険や投資になると、買う側にも相応の知識が求められます。と同時に、知識のない書い手は売り手から狙われ、結果よくわからない物を買わされてしまうのです。

最近では食材のような日常的に買うものでもトレーサビリティが求められたり、消費者が知識をつけやすい環境になってきています。その分情報量は増えますが、この情報の海をうまく泳いで、賢く商品を選び、自分の満足のいく人生行路を切り開いていく時代になったと言えるでしょう。

だから、「買う」側の場合にも売る側と同じかそれ以上の知識が必要になってくるのです。
膨大な情報の海を泳ぎきるだけの技術と知識、そして人生設計という海図を描けているか、今一度見直す年末年始であっても良いのではないでしょうか。

このドラマがすごい〜DARK SUITS〜

あまり巷での話題には登っていませんが、今クールNHKでやっていたこのドラマにドハマりしました。

日本の高度成長を支えてきた製造業。その中でも現在窮地に陥っている電機業界にスポットをあて、総合電機の再生策に奔走する若手社員にスポットをあててドラマが展開されます。
この手のドラマだと、NHKではハゲタカ、民放では半沢直樹が有名ですね。双方とも企業再生を題材にしていますが、主に金融的手法が中心でした。

DARK SUITSは、製造業、特に電機が構造的に抱える問題に鋭く切り込み、ものづくりだけではなく技術ライセンスによる再生を目指す方向を模索する、というテーマで描かれています。
2012年が題材なので、今から2年ほど前の経営環境を反映しており、経営戦略的には現在は少し違う趣があるのかもしれませんが、日本の製造業が生き残りをかける一つの方向性を示した作品です。

製造業の経営のみならず、取締役会やファンド、加えてメディアも巻き込んだ人間ドラマもあらゆる伏線が張ってあり大変魅力的なものに仕上がっています。

NHKオンデマンドで見見れますので、このお休み中、必見ですよ。

http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2014059275SA000/

【書評】伝え方が9割

超久々(どころではない・・・1年半ぶりに更新)

所属している中小企業診断士の研究会で、「考える力・書く力」のほかに、「伝える力」も鍛えたほうがよいよね、という話題が出たので、思い出したようにざっと読んでみました。

その中でもとても覚えやすくかつ一番重要だと思ったポイント。

◆「ノー」となるはずだったお願いを「イエス」に変える3つのステップ

(1)自分の頭の中をそのまま言葉にしない
(2)相手の頭の中を想像する
(3)相手のメリットと一致するお願いをする

この3つです。

一つ目は、脊髄反射的に言いたいことを言わずに一度飲み込んで考える、ということ。二つ目は、その次に、自分がお願いをする相手が「どういわれたらうれしいか」「どういわれたら納得するか」を考える、ということ。そして三つ目は、相手が「メリットである」と感じる内容と同じお願いをするということです。

たとえば、デートに誘いたい女性がいたとして、「来週土曜日にデートしない?」というのではNG。ステップの1つ目から躓いています。まず自分のいいたいことは端においておいて、相手の女性がどういわれたらうれしいかを想像します。休日にスィーツを食べに行くのが趣味である、ということがわかれば、「僕、スィーツ食べるのが好きでさ。行きたい店があるんだよね、今度一緒に行ってみない?」という感じで誘う、といった感じ。

これであれば「デートしたい」という意図は隠れ、相手にとってうれしい「スィーツの食べ歩き」がメインであることが強調されます。

この内容、実はロジカルシンキングなんですよね。コンサルタント風に行ってしまうと、相手の立場に立ったイシューを設定する、という感じでしょうか。

このほかにもたくさんテクニックが載っていますが、この3つのステップがシンプルだけど難しいため、とても重要だと思います。さらっと読めますが、身に着けるのはなかなか・・・。

若い人から管理職層まで、必読の書だと思います。

伝え方が9割
伝え方が9割 佐々木 圭一

ダイヤモンド社 2013-02-28
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中小企業診断士として登録完了しました

中小企業診断士登録証

無事に中小企業診断士として登録されました。
これで晴れて公に「中小企業診断士 堀江賢一」と名乗ることが出来ます。
思えば結構長い道のりでした。
====================
・2007年:「面白そうな資格だなぁ。勉強してみようかな。」→独学でかじる。
・2008年:「予備校に通ってちゃんと勉強しよう」→某T○Cに通い始める。
・2009年:「勉強しんどいなぁ・・・1次だけでも無理な気がしてきた」→何とか1次合格。
      「2次試験、難しすぎる・・・俺には無理なのか?」→2次不合格。
・2010年:「今年2次受からないと全権剥奪で1から出直し、絶対合格したい」
      「しかし勉強は続けているのに演習の点数が伸びない、どうしよ」→2次不合格。
      「今のやり方を続けていても駄目だ。勉強の考え方、やり方を変えないと!」
      → TCMへの通学を決意(TCMについての記事はこちらを参照。)
         ふぞろいな合格答案執筆プロジェクトに参加。
・2011年:「日本語や思考力のトレーニングはやってるけど、身に付いているのだろうか・・・」
      「試験直前に体調を激崩してしまった・・・しかたない。ダメでもまた来年がんばろう」

      → ★2次試験合格★
====================


独学(といっても大したことはやっていませんが)の期間を含めると、約4年かかりました。
勉強を初めて数ヶ月で合格してしまう人に比べたら随分かかってしまいました。
(10年近くかかっている方もいるので、僕はまだ早い方の部類かもしれません)
この間、試験に合格することよりも、思考力や相手の立場に立つ力、物事を俯瞰して見る目線、他の人との接し方についてとてもよい勉強になったと思います。そして、たくさんの方々のお世話になりました。
中小企業診断士は、企業にとっての町医者。たくさんの困っている方々の立場にたって考え、適切な助言を剃る必要があります。そのためには「思考力・俯瞰する目線・相手の立場に立つ力」などが必要であり、それを図るための試験なのかも知れませんね。
僕はまだまだヒヨッコですが、受験前よりは少しは柔らかい性格になった気がしています(きがしているだけかも?)
ここはまだまだスタートライン。これから少しずつ前に進んでいきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

「見せかけの勤勉」の正体

「見せかけの勤勉」の正体
「見せかけの勤勉」の正体 太田 肇

PHP研究所 2010-05-18
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2次試験も終わり、ちょっとゆっくり・・・と思いましたが、早い時間に出社する習慣は体に染み付いてしまっているので、ひとまず読書を始めました。

で、まずAmazonですぐに購入したのが、知人から薦められた本書。

序文で、我々日本人が「いかに働いているつもりになっていて成果を出していないか」、そして本論で、何故そのようになってしまったのかについて述べられています。そして結論として、見せかけの勤勉から脱出するためにどうすればよいか、が述べられています。

本書のターゲットは、社会人だけでなく学生まで幅広いとは思いますが、主に企業(特に大企業)の管理職層の方々以上には是非読んでもらいたいです。現場が「成果の出せない環境で一生懸命身をすり減らさざるを得ない状況」を作り出しているのは、管理職層だからです。そしてその状況をより変えていきやすいのも管理職層だからです。

さらに広く言うと、部下を持つ人や後輩の指導に当たる立場にある人も本書のターゲット層と言えるでしょう。

部下を持たない人にはあまり効果がないかというと、決してそうではありません。
「成果が出せない環境をいかに変えていくか、どうやって見せかけの勤勉さから脱出するか」について考え、自分自身の行動の確認と変更を行うことで、自分自身の成長を促すことができます。見せかけの勤勉から、自らの力で脱出することができます。

本書を読むにあたって注意すべき点があります。それは下記2点です。

(1)描かれている事実を受け止め「自分にも思い当たるフシがある」前提で読むこと。
   本書の論調なのですが、若干批判的なかかれ方をしています。
   ですので、「俺は違う」とか「あぁ、あの人のことか」という他人行儀な
   解釈に偏る可能性があります。
   見せかけの勤勉は、程度の差こそあれ、我々全員が陥っていると考えて
   読んだほうが、自分ごとと捉えて改善しやすくなります。

(2)今日から改善できることを考える
   この手の書籍全般にいえますが、「あーあるある」「こういう人困るよね」
   という感想だけが先行する可能性があります。
   そうではなく、「どうやったら見せかけの勤勉に陥らないか」を考え、
   その方法を今日・明日から実践してみましょう。

本書読了後、僕は早速エンパワーメント(本書ではそのような表現ではないですが)を意識した発言、行動を行うようにしています。まだまだできていない点もありますが、少しずつ上達していきたいと思います。

日本語と愚直に向き合う

更新、3ヶ月ぶりです。放置しすぎですね。。アウトプットがTwitterやFacebook中心になってしまい、つぶやいたら満足してしまって、ここ2年ほど更新が行き届いていませんでした。元々「徒然なるままに」書いていたこのBlogも、そろそろテーマをちゃんと決めて、いわゆる「ツブヤキ」と差別化する必要がありそうですね。
さて先日、中小企業診断士の2次試験が終了しました。昨年2回目の2次試験が不合格となり、ゼロからの再スタートでしたが、なんとか1次試験を通過し2次試験まで終えることが出来ました。
今まで2年間は、ひたすら演習に取り組んで試験対策のテクニックに走っていました。しかしその一方で、正直コンサルタントに求められる「正しく現状を把握、分析し、わかりやすく助言する」能力が身についたとは思えませんでした。
そこで昨年の2次試験不合格後、自分に足りないものを具体化し、それをひたすら鍛えるために、「TCM」の扉を叩きました。TCMは独立してコンサルタントをされている方が立ち上げた小さな学校です。そこに飛び込んだ理由は、コンサルタントとして必要な素養を地道に鍛え、その延長で2次試験に合格できる能力を身につけるというコンセプトに共感したからです。受験テクニックにまみれて視野狭窄に陥っていた僕にとって最適な学校でした。
TCMで学んだことはものすごくたくさんあります。
その中でも僕自身にとってすごく良かったのは「愚直に日本語に向きあう癖がついたこと」だと思います。
(1)相手に伝わりやすい日本語を考え、書く
   実施したのは「読書感想文」。プロフェッショナルについて考え、書くもの。
   ここで、自分自身の主張の弱さ、根拠のなさ、文章の読みにくさが露呈しました。
   特に、自分自身で全く気づいていなかった下記のポイントが明らかになったのは
   とても大きな収穫でした。
    ・論理が飛ぶことが多い(唐突に別の話が出てくる)
    ・一文が長く何を言いたいのかわかりづらい
(2)一文から読み取れる内容をひたすら考え、書く
   診断士試験過去問の与件文(事例企業の概要が書いてある文)の一文一文から、
   「他に何が言えるのか?」を考え、書くトレーニングを行いました。
   最初のうちは一面的な見方しかできていませんでしたが、他の受講生のみなさんの
   優秀なアウトプットを参考にトレーニングを繰り返すうちに、
   少しずつ多面的な見方が出来るようになってきました。
上記2点を行ったことで、日常生活の中でも「今まで実施していなかった癖」が出てきました。
それは
 ・自分の書いた文章が読みやすいかどうか確認するようになったこと
 ・相手の話したことや書いたことが、どういう意図から発せられたかを
  多面的に考えるようになったこと
です。
そのおかげだと思うのですが、過去2年よりも演習の点数が格段に上昇しました。受験のための勉強でなく、ひたすら愚直に日本語に向きあうことが、ここまで自分自身を変化させるのだと驚きました。
2次試験の結果が出るまであと1ヶ月。本試験はとても難しかったため、正直自信はないのですが、ここまで成長させてくださった先生や受講生仲間に感謝しつつ、発表を待ちたいと思います。そして、自分自身の鍛錬のために、合否にかかわらず、来年度も受講したいと思います。

書き物が多い今日この頃

プロフェッショナル原論 (ちくま新書)
プロフェッショナル原論 (ちくま新書) 波頭 亮

筑摩書房 2006-11-07
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この三連休、ずっとパソコンに向かって「書いて」ました。
ブログには全然書いてないやんけ!って言われそうですが、
ビジネススクールのレポートやら、とある執筆プロジェクトの分析やら、受験校の宿題やら。。
元々書き物をするのは好きなのでこのブログもずっと続いてきたわけですが
診断士の勉強をすすめるにつれて自分の文章力に疑問を感じなかなか書けなくなってきた、
というのは以前このブログでも紹介したところです。
(まぁ、それもあってここの更新頻度が激減してしまっているわけですが(苦笑))
さて、久々に本の紹介です。受験校の宿題で読んだ書籍。
(提出期限まであと3日の感想文は、あと1000字削らなければいけないんですけどね)
非常に共感を受ける内容でした。本屋に平積みにされ巷にあふれる「プロ××」やらの
役に立たんノウハウ本より小さく目立たないですが、書いてある内容は非常に深く
また本質をついた物になっていると思います。
簡単に説明すると下のような流れになっています。
 (1)プロフェッショナルの定義(広義と狭義)
 (2)プロフェッショナルがプロフェッショナル足りうる理由(掟の存在)
 (3)プロフェッショナルのルール・組織・日常の具体例
 (4)プロフェッショナルたちが現在瀕している問題
プロ意識とか、プロ根性とかいろいろ言われますが、本書を読めばその本質のようなもの
について触れることが出来、またこれから自分自身としてどのように行動したらよいかを
考えることが出来ます。
おすすめの一冊です。
(あー、、やっぱり平凡な文章になってしまった・・・伝えるのって難しい・・・)

経営資源の有効活用事例

先日出張で名古屋に伺った際の朝の出来事です。
出張当日の朝というものは大体早く家を出なければならず、結構億劫だったりするので、まずは食事をちゃんと取らなきゃということで東京駅をうろうろしておりました。うどんぐらいでいいかなぁと思っていたところ、目に飛び込んできたのは回転寿司の朝食。
僕は寿司が特段に好きというわけでもないのですが、他の店がとりたて安くて美味しそうなわけでもなく、時間的にも余裕はなかったのでひとまずその寿司屋に入りました。
その寿司屋の朝食メニューは、寿司とは全く関係なく
 ・ご飯と海苔と味噌汁
 ・おかず3品好きなものを選択
で500円というもの。
なかなかお安いですよね。
面白いのはこのおかず3品、回転寿司のトレーの上でぐるぐる廻っているものを3つ取るというもの。今まで見たことがなかったので驚きました。牛丼チェーンがだしている朝食メニューでも、大抵固定化した2つか3つのメニューを早く出すのを売りにしているものが多い中、顧客の好みで朝食アレンジできて、なおかつ料理を提供する側も大して負荷はかからない(見込み生産なので流しているだけ)。
日本の朝食って、御飯と味噌汁は温かいけど、旅館やホテルでもおかずは特に温かいというわけではなくそれを温かいものを出したからと言って、そこに新たな価値を見出す人がいるわけでもありません。そこに目をつけ、見込み生産で大量に食材を流し、かなりの回転率で売上を拡大する。
結果論かもしれませんが、この発想に感銘を受けました。
ここで、回転寿司の朝食サービスの競争優位性・差別化のポイントについてまとめてみたいと思います。
◆顧客回転率
まずは立地。駅の中という人通りの多い場所で朝食を提供するというだけでかなりの顧客数が 見込めます。しかも、駅の中での朝食は、時間的制約もあり「食べたいメニューがある」ではなくおそらく和食か洋食かぐらいの選択肢しか持ち得ないでしょう。そのため、短時間にかなりの人の入れ替わりが期待できます。
回転寿司の席のレイアウトは、カウンターがほとんどで、店舗内スペースも極力有効活用できるように作られています。面積あたりの顧客収容数も他の飲食業よりも高いでしょう。加えて、朝の通勤時の回転率の高さ。高い顧客収容率×高回転率。これによりかなりの売上をたたき出しているはずです。
◆品揃え
朝食を提供している他のチェーン店やファストフードと比べ、寿司の仕入れの際に多めに仕入れた材料を用いた豊富なメニューの提供と、回転寿司の設備を用いたセルフサービス方式により顧客の好みの朝食を何通りも演出できます。朝のちょっとした時間に、「まぁこれでいいや」ではなく「おいしかった」と言える朝食を素早く提供できるのは大きな強みでしょう。
◆割安感
都内の牛丼チェーンの朝食(ごはん、味噌汁、鮭切り身、海苔)で400円弱。ご飯と味噌汁とおかずにさらに好きなおかず2品ついて500円はかなりの割安感です。
ハンバーガーショップの朝食メニューでも450円近くしますから価格優位性も高いと考えるべきでしょう。
ちょっと考えてみただけでもかなりの特徴がありますね。
ここで勝手なシミュレーションをしてみますと・・・
 【想定】
  ・座席数        60
  ・回転率        3回/時間
  ・売上         500円/人
  ・売上原価率(変動費) 適当に5割程度とおく
              ※寿司の仕入れと同じルートで行って、さらに材料も同じで
               あればもっともっと低減できると想像
  ・販売費等人件費 :  時給1200円×4時間×5名×30日=72万円
 【結果】
  ・売上         1080万円
              (500円×60名×3回転/時間×4時間×30日)
  ・売上原価        540万円
  ————————————–
   売上総利益       540万円
  ・販管費          72万円
  ————————————–
   営業利益        468万円
   売上高営業利益率     43%
月額売上1000万!朝食だけで年間1.2億円・・・まぁこんなにうまくいくわけではないと思いますが、寿司屋の経営資源をうまく活用した良い事例だと思いました